普段、私たちがキッチンでお皿を洗ったり、浴室でシャワーを浴びたり、洗面所で顔を洗ったりする際に、当たり前のようにお湯を使っています。このお湯を供給しているのが給湯器ですが、実際に水の温度を調整したり、お湯を出したり止めたりしているのは、各水回りに設置された「給湯栓」、つまり蛇口(水栓金具)です。一般的に「給湯栓はどこ?」と聞かれた場合、給湯器の元栓を指すことが多いですが、ここでは、より身近な存在であるキッチン、浴室、洗面所の給湯栓(蛇口)に焦点を当ててみましょう。これらの給湯栓は、単に水やお湯を出すだけでなく、多くの場合、水とお湯を適切な温度に混ぜ合わせる「混合水栓」としての機能を持っています。レバーハンドルやサーモスタット機構によって、好みの温度に調整してお湯を出すことができるのは、この混合水栓のおかげです。キッチンでは、洗い物に適した温度や水量に調整できるシングルレバー混合水栓が主流です。食器洗い乾燥機への分岐水栓が付いているタイプもあります。浴室では、設定した温度のお湯を安定して供給できるサーモスタット混合水栓が一般的です。シャワーとカラン(洗い場用の蛇口)を切り替える機能も備わっています。急な温度変化を防ぐ安全機能が付いているものも多く、快適な入浴を支えています。洗面所でも、洗顔や手洗いに便利なシングルレバー混合水栓が多く用いられています。デザイン性の高いものや、センサーで自動的に水が出るタイプなど、多様な製品があります。これらの給湯栓(蛇口)は、毎日使うものだけに、経年劣化による水漏れや、内部部品の摩耗による不具合が発生しやすい箇所でもあります。ハンドルの動きが悪くなったり、水やお湯がポタポタと止まらなくなったりした場合は、パッキンやカートリッジといった内部部品の交換が必要になることがあります。軽微な部品交換であればDIYで対応できる場合もありますが、構造が複雑なものや、原因が特定できない場合は、無理せず専門業者に修理や交換を依頼するのが安心です。快適な水回り環境を維持するためにも、これらの給湯栓の役割と、適切なメンテナンスの必要性を理解しておくことが大切です。
キッチン浴室洗面所の給湯栓の役割