一戸建てに長く住んでいると、どうしても気になるのが排水管の汚れや詰まりです。築年数が経過するほど、そのリスクは高まります。なぜなら、毎日の生活排水に含まれる油、食べ物カス、石鹸カス、髪の毛などが、少しずつ配管の内壁に蓄積していくからです。特に油汚れは冷えると固まりやすく、他の汚れと結合してヘドロ状になり、配管を狭めていきます。築10年、20年と経過するうちに、これらの汚れは厚い層となり、水の流れを悪くしたり、悪臭の原因になったり、最終的には完全な詰まりを引き起こしたりします。では、こうした排水管の汚れを少しでも抑え、トラブルを予防するために、自分でできることはないのでしょうか。まず、キッチンでの対策が重要です。油を直接排水口に流さないことは基本中の基本です。揚げ物油はもちろん、炒め物で使ったフライパンや食器についた油汚れも、キッチンペーパーなどでできるだけ拭き取ってから洗うように心がけましょう。三角コーナーや排水口のゴミ受けには、目の細かいネットを取り付け、小さな食べ物カスが流れていかないようにすることも有効です。次に、洗面所や浴室では、髪の毛が主な詰まりの原因となります。排水口の目皿に溜まった髪の毛は、こまめに取り除く習慣をつけましょう。市販の髪の毛キャッチャーなどを利用するのも効果的です。また、石鹸カスも蓄積しやすいので、定期的に排水口周りを掃除することが大切です。全体的な対策としては、月に1〜2回程度、市販のパイプクリーナーや、重曹とクエン酸などを使って、排水口周りの洗浄を行うことが予防に繋がります。これにより、汚れが固着する前にある程度分解・除去することができます。ただし、薬剤の使いすぎは配管を傷める可能性もあるため、製品の指示に従い、適度な頻度で行うことが重要です。また、時々、蛇口から勢いよく水を流すことも、軽い汚れを押し流す効果が期待できます。これらの日常的な予防策を講じることで、排水管の汚れの蓄積スピードを遅らせることは可能です。しかし、完全に汚れを防ぐことは難しく、築年数が経過した一戸建てでは、数年に一度は専門業者による高圧洗浄などの本格的なメンテナンスを行うことが、排水管を長持ちさせ、深刻なトラブルを未然に防ぐためには最も効果的と言えるでしょう。
築年数と排水管汚れ一戸建てでできる予防策