トイレの床にじわじわと透明な水漏れを発見した際、「これくらいなら自分で直せるかも」とDIYでの修理を考える方もいらっしゃるでしょう。確かに、原因が単純なナットの緩みなどであれば、工具さえあれば比較的簡単に修理できる場合もあります。しかし、トイレの水漏れ修理は、見かけによらず専門的な知識や技術が必要な場合も多く、安易なDIYはかえって状況を悪化させるリスクも伴います。DIYに挑戦する前に、いくつか知っておくべき注意点があります。まず、作業前には必ず止水栓を閉めることが鉄則です。これを忘れると、部品を取り外した際に水が噴き出し、大惨事になりかねません。止水栓の場所と閉め方を事前に確認しておきましょう。固くて回らない場合は無理せず、元栓を閉めるなどの対応が必要です。次に、適切な工具を用意することです。モンキーレンチやプライヤーなどが必要になりますが、サイズが合わない工具を使うとナットをなめてしまい、締め付けも取り外しもできなくなる可能性があります。また、部品を締め付ける際の力加減も重要です。締め付けが弱いと水漏れが止まらず、逆に強く締めすぎるとパッキンを潰してしまったり、部品自体を破損させたりする恐れがあります。特にプラスチック製の部品は割れやすいので注意が必要です。パッキンなどの交換部品が必要な場合は、必ず適合するものを選ばなければなりません。トイレのメーカーや品番によって部品の形状やサイズは異なります。間違った部品を使うと、水漏れが直らないどころか、悪化する可能性もあります。ホームセンターなどで購入する際は、古い部品を持参するか、品番を正確にメモしていくことが重要です。DIYで対応可能な範囲としては、給水管や給水ホース接続部のナットの増し締め、比較的交換が容易なシャワーホースやシャワーヘッドの交換(ウォシュレット周りなど)程度に留めておくのが賢明です。タンク内部の部品交換や、便器とタンクの接続部分(密結パッキンなど)の修理、便器の脱着が必要な作業、床下の配管に関わる修理などは、専門的な知識と経験が必要です。もし、自分で作業してみて水漏れが止まらない、原因が特定できない、作業中に部品を破損させてしまった、といった場合は、潔く作業を中断し、速やかにプロの水道修理業者に依頼しましょう。中途半端な状態で放置すると、被害が拡大するだけです。
トイレ床水漏れDIY修理挑戦前に知っておくべきこと