それは、溜まった洗濯物を片付けようと意気込んでいた、ある土曜日の朝のことでした。いつものように洗濯物を洗濯槽に入れ、洗剤をセットし、スタートボタンを押しました。軽快な運転音が始まるかと思いきや、聞こえてくるのは「ウィーン」というモーター音だけで、肝心の水が出てくる気配が全くありません。最初は「少し時間がかかるのかな?」と楽観的に考えていましたが、数分待っても状況は変わらず、やがてエラー表示が出て洗濯機は停止してしまいました。「え?なんで?」予期せぬ事態に、私の頭は軽いパニック状態です。洗濯機はまだ買って3年ほど。故障するには早すぎるのではないかと思いました。まず確認したのは、水道の蛇口です。前日に触った記憶はなかったので、閉まっているはずはないと思いつつ念のため確認しましたが、しっかりと開いています。次に、給水ホース。ねじれていないか、接続はしっかりしているか。見たところ特に問題はなさそうです。「もしかして、フィルターが詰まっているのかも」と思い当たりました。以前、引っ越した時に業者の人が「時々掃除してくださいね」と言っていたのを思い出したのです。取扱説明書を引っ張り出し、フィルターの場所を確認。洗濯機側の給水ホース接続口にある小さな網状の部品です。ホースを外し、ペンチで慎重にフィルターを引き抜いてみると、案の定、細かい砂のようなゴミがびっしりと付着していました。「これか!」原因が見つかったことに少し安堵し、古歯ブラシで丁寧に汚れを洗い流しました。フィルターを元に戻し、給水ホースをしっかりと接続。祈るような気持ちで、再びスタートボタンを押しました。すると、今度は勢いよく「ジャー」という音とともに水が供給され始めました。あの瞬間は、本当にホッとしました。たった小さなフィルター一つの詰まりで、洗濯ができなくなってしまうとは。この経験以来、私は定期的に給水フィルターの掃除を欠かさないようにしています。もし同じようなトラブルに見舞われた方がいたら、諦める前にまずフィルターのチェックをおすすめします。意外と簡単な原因で解決するかもしれませんよ。
突然洗濯機から水が出なくなった私の体験談