ある日の夜、キッチンで洗い物を終え、蛇口をキュッと閉めたはずなのに、ポタリ、ポタリと雫が落ちる音が止まないことに気づきました。最初は気のせいかと思いましたが、しばらく様子を見ても音は止まず、シンクには小さな水たまりができています。「ついに来たか…」と思いました。我が家のキッチン水栓も、もう10年以上使っています。おそらくパッキンの寿命だろうと見当はつきました。業者さんを呼ぶのが手っ取り早いのでしょうが、時間も費用もかかる。ネットで調べると、パッキン交換はDIYでも比較的簡単にできるという情報がたくさん出てきます。「よし、自分でやってみよう!」と思い立ったのが、私の悪戦苦闘の始まりでした。まずは情報収集です。我が家の蛇口はハンドルが一つで上下左右に動かすシングルレバー混合栓。このタイプはコマパッキンではなく、カートリッジと呼ばれる部品ごと交換する場合が多いようです。しかし、念のため分解してみないと確実なことは分かりません。必要な工具はモンキーレンチ、プラスドライバー、マイナスドライバー、そして交換用のパッキンかカートリッジ。近所のホームセンターで、水栓補修コーナーをうろうろ。様々な種類のパッキンやカートリッジが並んでいて、どれが合うのかさっぱり分かりません。店員さんに蛇口の写真を(撮っておいてよかった!)見せて相談し、おそらくこれだろうというカートリッジを購入。ついでにレンチ類も揃えました。さて、いよいよ作業開始です。まずはキッチンのシンク下にある止水栓を閉めます。右に回して…固い!思った以上に力が必要でした。次にレバーハンドルを外します。小さなネジで固定されているのですが、これがまた固い。なんとか外し、カバーを外し、いよいよカートリッジを固定している大きなナットに挑みます。モンキーレンチで回そうとしますが、びくともしません。水垢で固着しているようです。潤滑剤を吹き付けてしばらく待ち、再度挑戦。渾身の力を込めて回すと、グッと音を立ててようやく緩みました。古いカートリッジを引き抜き、新しいものと交換。向きを間違えないように慎重にはめ込み、逆の手順で組み立てていきます。すべての部品を元通りに取り付け、ドキドキしながら止水栓を開け、蛇口のレバーを操作。すると…おお!水漏れがピタリと止まりました!時間はかかりましたが、自分で直せた達成感は格別でした。