トイレ交換を検討する際、誰もができるだけ費用を抑えたいと思うのは自然なことです。しかし、価格の安さだけを追求し、相場よりも極端に安い業者を選んでしまうことには、大きなリスクが伴うことを知っておく必要があります。「安かろう悪かろう」という言葉があるように、格安の裏には何らかの理由が隠されている可能性があるのです。まず懸念されるのが、施工品質の問題です。トイレ交換は、給排水管の接続という水回り工事の専門知識と技術が必要です。経験の浅い作業員や、手抜き工事を行う業者に依頼してしまうと、設置後に水漏れが発生したり、便器がグラグラしたり、排水がうまくいかなかったりといったトラブルに見舞われる可能性があります。水漏れは、床材の腐食や階下への漏水など、さらに大きな被害につながる恐れもあり、結局、再工事や修理で高くついてしまうことになりかねません。次に、保証やアフターフォローがない、あるいは不十分なケースです。信頼できる業者であれば、通常、工事に対する保証期間を設けており、万が一不具合が発生した場合でも無償で対応してくれます。しかし、格安業者の場合、保証制度がなかったり、あっても連絡がつかなくなったりする可能性があります。トラブルが起きても泣き寝入りするしかない、という状況は避けたいものです。また、見積もり時には安い金額を提示しておきながら、工事当日になって「追加工事が必要」などと言って、次々と追加料金を請求してくる悪質な業者も存在します。見積もり内容が曖昧だったり、契約を急かされたりする場合は注意が必要です。使用するトイレ本体や部材の品質が低い可能性も考えられます。すぐに故障したり、耐久性が低かったりする粗悪な製品を使用しているかもしれません。安さには必ず理由があります。極端に安い価格には警戒し、なぜ安いのかを冷静に見極めることが重要です。複数の業者から見積もりを取り、価格だけでなく、工事内容、使用する部材、保証内容、そして業者の信頼性などを総合的に比較検討し、納得のいく業者を選ぶことが、後悔しないトイレ交換のための鉄則です。
安いだけのトイレ交換は危険