洗濯機周りから漂う嫌な下水の臭い。その原因の多くは、排水トラップや排水ホース、洗濯槽などに溜まった汚れです。専門業者に頼む前に、まずは自分でできる掃除テクニックを試してみましょう。効果的な掃除方法をいくつかご紹介します。最も効果が期待できるのが「排水トラップの掃除」です。まず、安全のために洗濯機の蛇口を閉め、電源プラグを抜きましょう。洗濯パン(防水パン)の排水口カバーを外し、中にある筒状や、お椀型の部品(ワントラップ)を、説明書などを参考にしながら慎重に取り外します。これらの部品には髪の毛、糸くず、洗剤カスなどがヘドロ状になって付着していることが多いので、使い古しの歯ブラシなどを使って、ぬめりや汚れを徹底的にこすり落とします。排水口内部も、届く範囲でブラシで掃除しましょう。掃除が終わったら、部品を元通りに正確に取り付けます。部品の向きや順番を間違えると、水漏れや臭いの原因になるので注意が必要です。次に「排水ホースの掃除」です。ホース内部の汚れも臭いの原因になります。まず、ホースを排水口から抜き取ります。バケツなどに40〜50度くらいのお湯を溜め、重曹(カップ1程度)とクエン酸(大さじ3程度)を溶かし、そこにホースを浸け置きします。発泡作用で汚れが浮き上がってきます。1時間ほど置いたら、ホースの中に水を流し入れて、内部をよくすすぎます。市販のパイプクリーナー(酸素系がおすすめ)を使う場合は、製品の指示に従ってください。掃除後は、ホースがたるんだり、排水口の奥に深く差し込みすぎたりしないように、適切な長さに調整して接続します。「洗濯槽の掃除」も忘れずに行いましょう。洗濯槽の裏側のカビや雑菌が、下水のような臭いを放つことがあります。市販の洗濯槽クリーナー(酸素系または塩素系)を使い、定期的に洗浄します。特に酸素系クリーナーは、汚れが目に見えて剥がれ落ちるので効果を実感しやすいですが、剥がれた汚れをすくい取る手間が必要です。塩素系は殺菌力が高いですが、臭いがきついので換気が必要です。最後に、排水口と排水ホースの接続部分に隙間がないか確認します。隙間がある場合は、排水エルボを使用したり、接続部に隙間を埋めるパテやテープなどを使ったりして、臭いが漏れないように対策しましょう。これらの掃除を定期的に行うことで、洗濯機周りの下水臭を効果的に防ぐことができます。